平成28年9月の小笠原諸島における公証相談
私たち公証人2名は、平成28年9月1日から同月6日までの日程で、NPO司法過疎サポートネットワークの弁護士4名、税理士4名、司法書士2名らとともに、小笠原村の父島と母島を訪問し、「法律税金相談会・法律教室」に加わり、公証相談や公正証書の作成などを行いました。
参加者は、父島班と母島班とに分かれ、それぞれの島で、法律税金相談会を開催し、父島では、「贈与税の豆知識」と題して法律教室も開催しました。
父島では、計16名・20件の相談が寄せられ、母島でも、計4名・5件の相談が寄せられました。相続・遺言についての相談は、税金関係の相談と並んで多く、父島では2件あり、遺言公正証書作成の依頼も1件受けて公正証書を作成しています。母島でも、依頼者の来訪はありませんでしたが、公正証書作成を考えている方が2名おられる旨の情報が伝えられました。
今回は、第30回という節目の相談会開催であり、到着日夜には、NPO司法過疎サポートネットワークに対し、早速、小笠原村から感謝状が贈呈されました。また、離島前日に、父島班と母島班が合同で開催した第30回記念バーベキュー大会に、小笠原村の初代村長や、村議会議長、村役場職員、村民など多数の関係者の参加をいただき、歓迎、感謝の意を表していただきました。
小笠原諸島は、歴史、文化、産業等、都心部とは相当に異なっていますが、今回の訪問を通じ、都心部と同様、税務法律・公証相談に対する関心が高いことが伺えました。新造船「3代目おがさわら丸」就航により、平成28年7月からは、本土と父島間との所要時間も短縮され、今後、人的交流等が一層深まっていくことが期待されます。それに伴い、公証業務に対する需要も増加することが予想されます。私たち公証人としては、今回のような公証相談等の実施を継続し、積極的に公正証書作成等を行ってその需要に応えていくとともに、小笠原諸島に対する理解を深め、その発展に少しでも貢献できるよう努めていきたいと考えています。
日本橋公証役場公証人 山舖 弥一郎
小岩公証役場公証人 山内 昭善