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東京の公証役場
離島(小笠原諸島)の公証相談

東京公証人会は、平成13年11月から、公証人がNPO法人司法過疎サポートネットワーク
「小笠原くらしの法律税金相談・法律教室」に参加するようになり、
平成16年度からは、会として組織的に公証人を小笠原諸島に派遣するようになり、
現在に至るまで、毎年、継続して、小笠原諸島において公証相談を実施しています。

令和6年7月の小笠原諸島における相談会について

 令和6年7月10日(水)から同月15日(月)までの間、東京都の小笠原諸島に出張し、「第46回小笠原くらしの法律税金相談・法律教室」(以下「相談会」という。)に参加しました。
 今回の相談会が開催されたのは、令和6年7月11日(木)及び同月12日(金)の2日間でした。
 公証人2名のほか、弁護士2名、司法書士2名及び税理士5名の合計11名が小笠原諸島に出張し、父島班6名(弁護士1名、司法書士1名、税理士3名及び公証人1名)、母島班5名(弁護士1名、司法書士1名、税理士2名及び公証人1名)に別れ、各島において相談会を開催しました。
 父島での相談会は、小笠原村地域福祉センターにおいて、令和6年7月11日午後6時から午後8時までの間及び同月12日午前9時から午後4時までの間、開催されました。
 父島における相談件数は、合計20名20件(ただし、上記時間外に会場外で受けたものを含む。)であり、そのうち、公証人は、あらかじめ依頼を受けていた遺言公正証書1件を作成した(証人については、構成員の司法書士及び税理士にお引き受けいただきました。)ほか、遺言公正証書や任意後見公正証書の作成を検討している相談者に対応しました。
 また、公証人は、相談会に併せて開催された法律教室(法改正により新たに設けられた相続登記の義務化に関するもの)において、遺言作成の有効性等について講演を行いました。
 母島での相談会は、小笠原村役場母島支所において、令和6年7月11日午後6時から午後8時までの間及び同月12日午前9時から午後1時までの間、開催されました。
母島における相談件数は、合計2名2件であり、母島における公正証書作成案件はありませんでした。
 また、母島においても、相談会に併せて法律教室(相続登記義務化に関するもの)を開催し、その際公証人が遺言作成の有効性等について講演する予定でしたが、聴講者が訪れなかったため、実際には行われませんでした。

杉並公証役場 公証人 白木  功
京橋公証役場 公証人 山西 宏紀

令和6年2月の小笠原諸島における相談会等への参加

 令和6年2月8日(木)から同月9日(金)にかけて、第45回小笠原くらしの法律税金相談・法律教室が開催されました。この相談会等は、NPO法人司法過疎ネットワークが主催するもので、平成13年から毎年2回(冬と夏)開催されてきました。東京公証人会においてもこの活動に賛同し、毎回、公証人2名が参加しています。今回の状況について、簡単に御報告します。
 相談会等に参加したのは、弁護士2名、税理士6名、司法書士2名、公証人2名でした。また、今回は、出版社の記者1名も同行し、相談会等の実施状況についての取材も行われました。
 相談会等は、各職種が参加する二つのグループに分かれて父島と母島でそれぞれ実施されました。実施に際しては、小笠原村の御協力も得て、小笠原村総務課が発行している「村民だより」という広報誌で紹介していただき、独自に作成した案内チラシを村役場への備え置き、社会福祉協議会及び地元の高齢者団体の御協力を得て配布するなどの方法で、その周知を図りました。
 その結果、今回の相談状況は、
  父島  17人で21件
  母島   5人で 5件
でした。その内訳は、
  相続・遺言   12件
  後見関係     2件
  不動産の所有権・賃貸借  3件
  税金       7件
  その他      2件
となっています。
 この中には、事前に相談を受けた上で、公証人が父島で2件、母島で1件の遺言公正証書を作成したものも含まれています。
 また、両島で行った法律教室では、日本公証人連合会が作成した「遺言は大切な人に残せる最後の贈り物」の動画を上映した上、その内容を踏まえたミニ寸劇の会話形式で遺言についての説明を行いました。その寸劇内には、聴講者に対する遺言に関係するクイズも折り込んだところ、聴講者からは非常に熱心な御回答を頂きました。この寸劇の後には、公証人による遺言と任意後見についての簡単な解説を行いました。
 相談者や聴講者の中には、案件が継続しているため前回に引き続いて相談に来られた方や、過去の相談会の際に遺言公正証書を作成された方などリピーターも散見されました。また、弁護士等の士業の参加者の方は、その多くが、今回の相談会とは別に、以前の相談会で知り合った方から依頼された案件の処理に当たるなどしており、相談会等の活動が地域に浸透してきていることを実感しました。
 父島は竹芝桟橋から24時間、母島は父島から更に2時間の船便しかないばかりか、竹芝桟橋・父島間の船が父島に3泊するため往復に最低6日間を要するなど、移動だけでも大変な面があります。しかし、社会が成り立っている以上は、人間関係を調整する役割の法律問題は必ず生じるものですから、今後も今回のような活動を広めていく必要性を強く感じたところです。

浜松町公証役場 公証人  田村  眞
銀座公証役場  公証人  山田 賀規

令和5年7月の小笠原諸島における相談

令和5年7月13日(木)から同月14日(金)の間、第44回小笠原くらしの法律税金相談・法律教室が開催されました。公証人2名のほか、参加した弁護士や税理士による、父島、母島のそれぞれの会場における法律・税務相談が中心ですが、それに併せて「くらしの法律税務教室」として、一般村民を対象に、本年10月1日より開始されるインボイス制度の説明会も行われました。
今回の相談件数は、
父島     23件
母島      1件(キャンセル1件)
その他個別相談 4件
内訳は、
①相続・遺言  9件
(公正証書遺言は現地で2通、相談を受け本土で1通の合計
3通作成しました。)
②離婚     1件
③任意後見   1件
④相続関係   3件
⑤会社関係   3件
⑥税金関係   6件
⑦その他    2件
でした。
小笠原諸島は、竹芝桟橋から片道24時間の定期船しか交通手段がない離島ではありますが、人口が3000人近くあり、父島には高校や高齢者の施設があります。
少ないながらも遺言、任意後見、離婚等の法的サービスの需要もある一方で、島内の士業者は土地家屋調査士1名しかおられません。そのような中で、長年にわたり法的サービスの提供に努めてこられた弁護士や税理士の方々には頭が下がる思いであります。
私達は、小笠原訪問は初めてであり、弁護士・税理士の方々に島内を案内していただき、島の実情を知ることができたとともに、天候が良かったこともあり小笠原諸島の美しさに感動することができました。
近時はこの相談会への参加希望者が多く、再度派遣されることは難しいとは思いますが、機会があればまた是非参加したいと思います。

千住公証役場公証人 髙木 和哉
板橋公証役場公証人 植村  誠

令和5年2月の小笠原諸島における相談

 令和5年2月5日(日)から同月10日(金)まで、第43回小笠原くらしの法律税金相談・法律教室の一員として小笠原諸島に赴きました。父島では、父島地域福祉センターにおいて、無料法律相談会を実施し、母島では、小笠原村役場支所において法律税金相談会を実施しました。
 今回の相談会では、2日間で、両島合計17人18件の相談があり、そのうち相続・遺言が7件にのぼり、法的サービスのニーズは少なくはないと感じました。
 なお、父島においては、遺言公正証書を2件作成しました。
 小笠原への移動手段は片道約24時間を要する6日に一度の船便のみであり、島の人々にとっては、司法サービスはおろか、法律問題について専門家に相談し助言を受ける機会も限られています。長年にわたり小笠原において相談会を実施している方々の活動には頭が下がる思いであります。
 また、小笠原で開業している士業の方や、小笠原村商工会の職員の方からその活動を聞く機会も持て、理解も深まり大変有益でした。
 東京公証人会としても、引き続きこの相談会に参加していくべきであると感じました。

丸の内公証役場公証人 大野 重國

神田公証役場公証人  山田 知司

令和4年9月の小笠原諸島における相談

 令和4年9月21日から26日までの日程で、第42回小笠原くらしの法律税金相談・法律教室が実施され、父島の地域福祉センターにおいて相談会を実施する父島班(弁護士2名、司法書士1名、税理士4名、公証人1名、ゲスト3名)と、小笠原村役場母島支所において相談会を実施する母島班(弁護士1名、税理士2名、公証人1名)の2班体制で行われました。
 今回は、新型コロナウイルス感染症の状況から、相談会のみにとどまり、法律教室が実施されなかったことは残念でした。
 父島では、養育費支払公正証書を1件作成した他、遺言公正証書作成等に関する相談1件、後見・事業承継に関する相談1件に直接携わりました。
 なお、同遺言公正証書については、令和5年2月に実施予定の第43回小笠原くらしの法律税金相談・法律教室の際に作成することとなり、帰京後、同相談・法律教室に参加予定の公証人に対し、引継ぎを行いました。
 養育費支払公正証書を作成した1件を含め、相談件数は合計16件ありました。
 母島では、母島到着日の9月22日午後6時から午後8時までと、翌23日午前9時から午後1時までの合計6時間でしたが、この間、合計5件の相談があり、公正証書の作成に関連する相談も2件ありました。
 小笠原への移動手段は片道約24時間を要する約6日に1便の船便のみであり、島で暮らす人々にとって、裁判や調停等の司法サービスにアクセスすることが容易ではない上、法律問題等につき専門職に相談し、助言を受ける機会も限られており、法律・税務の様々な立場の専門家が集まって相談を受け、必要に応じて公正証書の作成その他のサービスの提供を行う相談会開催の意義は極めて大きく、長年にわたり、相談会に参加している専門家に対する島民の皆様の信頼の厚さも感じられました。東京公証人会としても、引き続き、相談会に参加していくことが重要と感じました。
 空き時間には、南島訪問など、世界自然遺産に指定された小笠原の美しい自然に触れる機会もあり、固有種に恵まれた独自の生態系とこれを守るための人々の活動を知ることができるなど、有意義な時間を過ごすことができました。

上野公証役場公証人 加藤 朋寛

神田公証役場公証人 田中 寿生

その他離島の公証相談
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