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東京の公証役場
小笠原諸島以外の離島の公証相談

令和4年10月14日の三宅島における公証相談

 NPO法人司法過疎サポートネットワークが主催する離島における公証業務も含む法律税務相談会が、令和4年10月14日(金)、三宅島で開催されました。今回の相談会には、私のほか、弁護士1名、税理士2名も参加し、13日夜竹芝桟橋を出港、14日早朝に三宅島に到着し、午前9時から午後4時30分まで、島の西部の阿古地区にある三宅村役場臨時庁舎において、相談会を実施しました。
 相談会場は同庁舎の会議室ですが、衝立で仕切られた個別のブースが設けられており、相談内容に応じた担当者が個別に相談を受けられる態勢とされていました。
 今回の相談会では、コロナ禍が終息しきれていない状況でもあるため予約制とし、村役場に協力頂いたり、東京公証人会のホームページに掲載するなどして広報するなどした結果、弁護士・税理士が対応した相談が5件(土地問題、不動産売買、債務整理、損害賠償)ありました。公証業務に関する相談案件はありませんでしたが、事前連絡を受けたことを契機に、事前に資料送付を受けるなどした上で当日面談を行い、保証意思宣明公正証書の作成を1件行いました。
 出張により公正証書の作成ができる場合は限られていますが、島内には、公証人はもちろん、法律・税務に関する専門家がいないため、相談や公正証書の作成など今回の様な出張の有意義性を痛感した出張となりました。

銀座公証役場 公証人 山田 賀規

令和3年12月の伊豆大島における公証相談

1 令和3年12月10日、大島におけるNPO法人主催の法律・税務相談会に参加した。

 同日午前8時35分に、竹芝桟橋から出航するジェット船に乗って大島に向かい、翌11日午前10時15分に大島から出航するジェット船で本土に戻った。

 上記相談会に参加したのは、弁護士、司法書士、税理士と本職の4名であった。

2 上記相談会は、同年12月10日午前11時から午後5時まで、大島町の施設の一室を借り受けて行われた。

3 当日は、3名から大島町内所在の家屋、土地の相続等に関する相談があった

4 本相談会への相談は、上記3件であり、最近行われた他の島の相談会への相談件数が

 2桁であったのに比べ、やや低調とのことであった。

5 上記相談からは、離島における不動産の承継者確保は深刻な問題となっていることが窺われた。本土にいる相続人が、相続によって取得した不動産につき、固定資産税、修繕費の支払い、あるいは台風等の災害によって建物が吹き飛ばされ、その破片が人や物に被害を与えた場合の補償等の負担を強いられるおそれがある。
 「誰も引き受けたがらない不動産」の処分については、過疎地において特に深刻な問題である。不動産所有権放棄を認めるための法律が制定されたものの、その施行は2023年と先であり、その要件も厳格であることから、即時に全面的な解決策となるかは不明である。

新宿公証役場公証人 矢野 元博

令和2年11月の神津島における公証相談

1 日時場所
  令和2年11月20日 午前9時30分~午後4時30分 神津島総合開発センター
  (当日は地元民宿に宿泊)
2 参加者
  NPO法人司法過疎サポートネットワーク所属の弁護士2名・司法書士2名・税理士1名・当職
3 相談案件(計3件)
 ①遺言の撤回等
 ②土地の売買等
 ③信組の証書の名義変更等
4 参考事項
 上記ネットワークの参加メンバーによると、今回の相談会に先立ち、ロジ面を担当してもらっている村役場の担当者が、防災無線等を活用して事前告知に努めてくれたものの、実際の相談案件は上記のとおり3件と例年よりも少なかったとのこと。一方で、地元筋によれば、①地元に拠点を置く建設会社が7~8社はあり、相応の経済活動が展開されている、②狭い島の中であるが故に土地の境界問題等も少なくない、③高齢者が多く、かつ、所有土地は島外の者には譲りたくないとの意識が強い土地柄である、等の状況がみられ、遺言公正証書を始めとした法的ニーズを掘り起こす余地はまだまだあると感じた(もっとも、実際に作成するとなると、片道約45分の19人乗りプロペラ機(調布~神津島、現在1日2往復)で公証人か嘱託人のどちらかが往復する必要が生じる。)。
 なお、翌朝、当職は東京に戻ったが、上記ネットワークの参加メンバーのうち4名は、次の相談会の目的地である式根島・新島に船で向かった。いずれも長くこの相談会に携わってきたメンバーで、離島の実情にもことのほか詳しく、その熱意には感銘を受けた。

麹町公証役場公証人 堀 嗣亜貴

令和2年10月の八丈島における公証相談

1 期間
 令和2年10月22日(木)から24日(土)まで 
2 行程
 ⑴ 10月22日(木)
   午後10時30分 東京・竹芝を出航(東海汽船便)
 ⑵ 10月23日(金)
   午前9時 八丈島桟橋に到着
   午前11時から午後5時 八丈島町役場で無料法律税金相談会
   夜、懇親会
 ⑶ 10月24日(土)
   午前 自由時間
   午後2時 八丈島空港出発(全日空便)
   午後3時 羽田空港到着
3 業務内容(無料法律税金相談会)
 ⑴ 概要
  弁護士1名、公証人1名、税理士2名、司法書士2名及び土地家屋調査士1名の合計7名が、相談業務を担当した。相談者は延べ11名となり、相談内容に応じて適宜、担当者を決め、3班に分かれて相談に応じた。公正証書に関する相談は、合計3件あった。
 ⑵ 当職が担当した公正証書に関する相談の内容
  ア 遺言公正証書作成の相談 2件
  イ 離婚給付公正証書に関する相談 1件
4 一般的感想
 今回の相談会は、新型コロナ感染症の影響が心配されたが、幸い無事開催の運びとなった。
 八丈島は、羽田空港から航空便があるが、八丈島空港は、強風や視界不良による欠航、あるいは羽田への引き返しが少なくないため(設置されている計器着陸装置の性能が低いことも一因と思われる。)、安全を期して往路は船便を選択した。八丈島までは竹芝桟橋から12時間の船旅となる。乗船の際には、体温を計測し、問診票に記入して提出した。東京湾を出ると、立っていられないほど強く揺れたが、酔い止めを飲んで寝ってしまったため、幸いひどい船酔いにはならずにすんだ。
 八丈島は暖かく、蒸し暑いと感じるほどで、東京とは相当に気候が異なる。小笠原諸島ほどではないが、南国との印象を受けた。
 今回は法律税金相談会のみで、法律教室等のイベントは特に開催しなかった。しかし、相談会は盛況で、絶えることなく相談者が来られ、準備した2室の相談室だけでは足りなくなり、急遽、相談室を一つ増やして何とか対応した。このように、島民の方々の法律税金相談のニーズは確実にあり、公証人として、微力ながらもお役に立てているのではないかと思う。他の業種の専門職と協力しての司法過疎問題への取り組みの重要性を改めて認識し、意義深い相談会であった。また、他の業種の専門職との交流は、刺激を受けたり、勉強になったりすることが少なくなく、その意味でも意義深いと感じた。

浜松町公証役場公証人 田村  眞

令和2年3月の三宅島における公証相談

令和2年3月27日(金)に三宅島で行われた「法律税金等相談会」に参加してきました。この相談会は、当初は令和元年10月25日に行なわれる予定でしたが、台風接近のために延期されていたものです。今回も新型コロナウイルスの影響で、開催が危ぶまれましたが、三宅島ではまだ一人も感染者が出ていないことなどから、実施されることになりました。
日程は、3月26日午後10時30分、竹芝桟橋発の橘丸に乗船し、27日午前5時前に三宅島に到着し、午前9時から午後4時30分まで、島の西部の阿古地区にある三宅村役場において、相談会を実施し、翌28日午後1時、三宅島飛行場発の飛行機で同日午後1時40分頃、調布飛行場まで戻ってきました。
相談会では、NPO法人司法過疎サポートネットワークに所属する弁護士、司法書士、税理士、土地家屋調査士らとともに、相談者から各ブースで個別にお話を伺いました。事前に村役場の広報誌、防災無線、社会福祉協議会の広報誌等を通じて島民の皆様に相談会の実施を連絡していたこともあり、島民8名の方から大小さまざまな相談が持ち込まれ、離婚、自動車ローンの連帯保証人の責任、組合財産の放棄・解散、生命保険契約の解約等、公証業務にも絡む法律問題についての相談もありました。
三宅島は1940年ころから約20年おきに4回噴火が繰り返され、最後の2000年の噴火の際には4年5か月にも及ぶ全島避難があり、避難解除後も火山活動は2013年ころまで、火山ガスの放出は現在も続いており、令和2年3月現在の人口は2,400人余りに減少しています。
島内には法律家がおらず、島民の方々にとっては、今回のような相談会を頼りにしている様子があり、相談員に話を聞いてもらっただけで満足して帰られる方もおりました。なお、この日の相談だけでは解決できない問題については、今後同NPO法人のスタッフらと連絡を取りつつ、継続案件として解決を図っていくことなどを約束して帰る人もいました。
公証人としても、今回のような活動を通じて島民と接点を持ち、公証人の仕事をよく理解していただくとともに、公正証書等の作成を必要とする人には、何度も往復してもらうのは無理なので、メールや電話・FAX等で事前準備を進め、島民が本土へ来訪した折などを利用して、簡便に公正証書を作成するなどしてお役に立てればと思いました。

千住公証役場 公証人 山田敏彦

相談会会場の三宅村役場
三宅島西部にある景勝地メガネ岩
三宅島空港の飛行機
小笠原諸島の公証相談
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