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東京の公証役場
離島(小笠原諸島)の公証相談

平成30年7月の小笠原諸島における公証相談

平成30年7月14日(土)から同月19日(木)まで(船中2泊、現地3泊)、NPO司法過疎サポートネットワークの弁護士5名、税理士3名、司法書士2名とともに、「第34回小笠原くらしの法律税金相談会」に参加しました。弁護士、税理士、司法書士は父島班と母島班に分かれましたが、今回公証人は一人でしたので、私が父島と母島両島を担当しました。

父島では、到着した当日の夜、事前に弁護士を通して依頼を受けていた遺言者方に赴いて、遺言公正証書1通を作成しました。

母島では、高齢の方から「遺言公正証書を作成したかどうか記憶が曖昧になってしまった。」という相談があり、私の所属役場である中野公証役場の協力を得て、コンピューターシステムによる遺言検索を行いました。また、遺言公正証書変更の相談を1件受けたほか、公証業務に関係のある相談について、弁護士とともに助言するなどしました。

今回の相談会全体の相談件数は、父島が16件、母島が9件の合計25件でした(うち4件は従前の相談会からの継続案件)。この合計25件のうち相続・遺言関係が9件と最も多く、不動産の所有・譲渡関係の4件及び税金関係の4件を上回っていました。

小笠原諸島には、家族間で国籍が異なる方、家族が米国に在住している方、家族が島を離れて本土で生活しており音信が途絶えている方など、家族関係が複雑な方が多くいらっしゃると聞きました。また、土地の権利関係も複雑なケースが散見されるようです。このような状況のもと、小笠原諸島も高齢化が進んでおり、遺言公正証書を作成しておく必要性が高い方が相当数いらっしゃるのではないかと思います。今回父島で遺言公正証書を作成した方も、ご家族の一部が米国籍で米国に在住しているなど家族関係が複雑であることから、相続手続がスムーズに進むようにと思い、遺言公正証書を作成することにしたとのことでした。

この相談会は毎年2回開催されており、毎回公証人が参加していますので、今後、より多くの島民の方々に足を運んでいただき、ご相談いただけたら嬉しく思います。

中野公証役場公証人 森  悦子

日没時の父島の風景
クルーズ船が到着した父島の風景
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