
東京公証人会は、平成13年11月から、公証人がNPO法人司法過疎サポートネットワーク
「小笠原くらしの法律税金相談・法律教室」に参加するようになり、
平成16年度からは、会として組織的に公証人を小笠原諸島に派遣するようになり、
現在に至るまで、毎年、継続して、小笠原諸島において公証相談を実施しています。
平成28年9月の小笠原諸島における公証相談
私たち公証人2名は、平成28年9月1日から同月6日までの日程で、NPO司法過疎サポートネットワークの弁護士4名、税理士4名、司法書士2名らとともに、小笠原村の父島と母島を訪問し、「法律税金相談会・法律教室」に加わり、公証相談や公正証書の作成などを行いました。
参加者は、父島班と母島班とに分かれ、それぞれの島で、法律税金相談会を開催し、父島では、「贈与税の豆知識」と題して法律教室も開催しました。
父島では、計16名・20件の相談が寄せられ、母島でも、計4名・5件の相談が寄せられました。相続・遺言についての相談は、税金関係の相談と並んで多く、父島では2件あり、遺言公正証書作成の依頼も1件受けて公正証書を作成しています。母島でも、依頼者の来訪はありませんでしたが、公正証書作成を考えている方が2名おられる旨の情報が伝えられました。
今回は、第30回という節目の相談会開催であり、到着日夜には、NPO司法過疎サポートネットワークに対し、早速、小笠原村から感謝状が贈呈されました。また、離島前日に、父島班と母島班が合同で開催した第30回記念バーベキュー大会に、小笠原村の初代村長や、村議会議長、村役場職員、村民など多数の関係者の参加をいただき、歓迎、感謝の意を表していただきました。
小笠原諸島は、歴史、文化、産業等、都心部とは相当に異なっていますが、今回の訪問を通じ、都心部と同様、税務法律・公証相談に対する関心が高いことが伺えました。新造船「3代目おがさわら丸」就航により、平成28年7月からは、本土と父島間との所要時間も短縮され、今後、人的交流等が一層深まっていくことが期待されます。それに伴い、公証業務に対する需要も増加することが予想されます。私たち公証人としては、今回のような公証相談等の実施を継続し、積極的に公正証書作成等を行ってその需要に応えていくとともに、小笠原諸島に対する理解を深め、その発展に少しでも貢献できるよう努めていきたいと考えています。
日本橋公証役場公証人 山舖 弥一郎
小岩公証役場公証人 山内 昭善



平成28年7月の3代目おがさわら丸の就航
2代目おがさわら丸は、平成9年2月に就航し、20年近くにわたって、竹芝桟橋と父島とを結ぶ定期船の役割を果たしてきましたが、平成28年6月に引退しました。それに代わって、平成28年7月から、3代目おがさわら丸が就航を始めました。


平成28年2月の小笠原諸島における公証相談
平成28年2月6日(土)から同月11日(木)までの6日間の日程で、公証人2名が、東京都小笠原村に出張し、NPO司法過疎サポートネットワークの弁護士4名、司法書士3名及び税理士3名とともに、「第29回小笠原くらしの法律税金相談・法律教室」を実施しました。
参加者は、父島と母島に別れ、いずれも到着した2月7日(日)午後7時から午後9時までと、翌8日(月)午前9時から午後5時までの2日間にわたって、法律税金相談を実施し、その後、1時間の法律教室を実施し、公証人からも話をするなどしました。
父島では、11名から法律税金相談があり、公証業務としては、事前に依頼を受けていた養育費等に関する公正証書を作成しました。母島では、8名から法律税金相談があり、公証人も、公正証書の作成には至りませんでしたが、遺言相談に応じるなどしました。また、母島では、関係機関等の了承を得て、同行した公証人の妻が、村立保育園において、園児対象の紙粘土教室を開催し、親睦を深めるなどしました。
平成27年7月は、台風でおがさわら丸が欠航し、中止になったため、1年振りの出張であり、また、数か月後には3代目おがさわら丸が就航するので、2代目おがさわら丸による最後の出張となりましたが、都区内に赴くには、片道二十数時間を要する週1回の船便を利用するほかない状況の中で、公証人が出張して公証相談や公正証書の作成を行うことは、広範な公証サービスの提供ということで、意義のあることと思われました。
日本橋公証役場公証人 服部 悟
渋谷公証役場公証人 下川 德純


平成27年2月の小笠原諸島における公証相談
平成27年2月7日(土)から同月12日(木)の6日間の日程で、公証人2名が、弁護士4名、司法書士4名、税理士3名とともに、小笠原村父島・母島に出張し、父島では奥村交流センターで、母島では村役場支所で、法律・税金・遺言等の無料相談会を行い、滞在中にそれぞれ社会福祉協議会との懇談会で島の実情等を伺いました。
この相談会は、平成13年2月から行われており、平成15年からは特定非営利活動法人司法過疎サポートネットワークが主宰し、平成13年11月から東京公証人会の公証人も同行しています。各島の実情や戸籍・登記等の問題点等については、同NPO法人理事後閑一博司法書士の「東京島しょ部における司法過疎対策-伊豆諸島・小笠原諸島」(月報「司法書士」2016年12月号16頁)に詳しく紹介されています。
武蔵野公証役場公証人 松本光一郎
高田馬場公証役場公証人 中村 明


平成26年7月の小笠原諸島における公証相談
平成26年7月7日から同月12日までの日程で、東京公証人会所属の公証人2名が、弁護士らと共に、小笠原村の父島と母島に赴き、公証相談や公正証書の作成などを行いました。
小笠原村父島の人口約2000人、母島の人口約500人ですが、裁判所や法務局などはなく、司法サービスを受けるためには、片道25時間半の船便を利用するしかない離島です。そのため、平成13年2月から、弁護士・税理士・司法書士らで組織された「小笠原サポート専門家グループ」が、「小笠原くらしの法律税金相談・法律教室」という名称で、毎年2回の無料法律相談等を行っており、これに東京公証人会から派遣された公証人が加わって公証業務を提供してきておりました。これまでの実績は、13年間で、延577人(638件)の相談・事件処理等を行っており、事件内訳として、ほとんどが、税金関係(133件)と親族・相続関係(126件)となっています。特に、父島は、民宿等の経営者の世代交代の時期となっていて、事業継続を意図する遺言作成の需要が少なくありません。
今回作成した遺言公正証書2件は、いずれも民宿事業の継続を意図したものでした。また、法律相談2日目に、飛び込みで相談に来た女性が、近日中に離婚して父島を離れるというので、急遽、子供の扶養料支払等についての離婚給付等契約公正証書を作成しました。
杉並公証役場公証人 内尾 武博
丸の内公証役場公証人 大野 重國

